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JHU Coronavirus Vaccine Translation

Neural machine translation plus human refinements by Jungo Kasai, Koji Shiono, and Noriyuki Kojima.

ジョンズ・ホプキンズ大学による「 COVID-19のワクチン開発には何が必要か?」(原題:WHAT WILL IT TAKE TO DEVELOP A VACCINE FOR COVID-19? )を、翻訳したものであり、著者の意見、主張を反映するものではないことをここに明記します。また、いくつかの情報は現状を反映していない可能性があります。最新の発表、及びお住まいの地方自治体のガイドラインもご参照ください。

COVID-19のワクチン開発には何が必要か?

ジョンズ・ホプキンズ大学のグローバル衛生専門家であるRuth Karron氏が、COVID-19のワクチン開発のために、現在、国内の研究室で行われている研究について語った。

今週(3/26時点)、アメリカ国立衛生研究所は、 Kaiser PermanenteがmRNA-1273と呼ばれるCOVID-19ワクチンの最初の臨床試験を開始したと発表した。科学者たちは、COVID-19ワクチンを一般の人々が利用できるようにするには、少なくとも1年はかかると見積もっている。

COVID-19ワクチンの開発、試験、製造に必要なステップを理解するために、ジョンズ・ホプキンズ看護学校の博士候補生であるSarah LaFaveは、ブルームバーグ公衆衛生大学院国際保健学科のRuth Karron教授に話を聞きにいった。Karron氏は、ジョンズ・ホプキンズ、ワクチンイニシアチブの創設者兼ディレクターであり、予防接種研究センターのディレクターでもある。以下彼らの対話は、長さとわかりやすさを考慮して編集されている。

誰がCOVIDワクチンの開発に取り組んでいるのか?

Karron氏: ワクチンに関する研究を行っているグループは、学術界、バイオテクノロジー、製薬界など、数多く存在します。 開発者は新しい技術を使って迅速に開発を進めていますが、それらがどのように機能するかはまだわかっていません。だからこそ、複数のグループで複数のワクチンを開発していくことが重要なのです。

COVID-19ワクチンの進捗状況は?

最初のCOVIDワクチンは、中国から最初の遺伝子配列が入手可能になってからわずか4週間後に開発されました。 それが可能になったのは、「疫病対策革新連合 (the Coalition for Epidemic Preparedness and Innovation)」(CEPI)の投資があったという背景があります。CEPIは3年前に設立された国際的なパートナーシップであり、特に「新興感染症に対するワクチンの開発を促進し、加速させ、発生時に人々がこれらのワクチンを利用できるようにする」ことをミッションとしています。彼らが力を入れてきたことの一つは、「病気X」に備えることです。病気Xとはつまり、未来に存在するがまだ知られていない、そしてワクチンが存在していない病気のことです。CEPIは、どのような病原体であっても迅速なワクチン開発に使用できる技術プラットフォームの開発を支援するために設立されました。これらの技術を使えば、菌を単離することなく遺伝子配列からワクチンまでもっていくができます。COVID-19は、まさに病気Xなのです。

COVIDワクチンとCOVID抗ウイルス剤の両方の話がある。COVIDワクチンとCOVID抗ウイルス剤の違いとは何か、また一般の人が利用できるCOVIDワクチンや抗ウイルス剤はいつごろできるのか?

それを予測するのは非常に難しいです。ワクチンができるかどうかは6~9ヶ月以内にわかると思いますが、その後は生産量を増やすことが課題になってきます。ワクチンの開発と試験は、例えば、感染症のある人を治療するために使用する抗ウイルス剤の開発とは異なります。COVIDに感染した人のための治療試験で抗ウイルス剤を投与している場合、非常に早く終了し、その患者の結果をすぐに見ることができます。しかし、ワクチンの場合は、時間をかけて免疫反応を観察し、ワクチンが病気を予防するかどうかを判断するために、十分な数の人が自然にウイルスにさらされていなければならないので、すぐに終了するわけではありません。そのため、COVIDのワクチン研究の結果が出る前に、COVIDの治療研究の結果が出る可能性が高いです。COVIDの異なる系統が存在する可能性を示唆するデータも出てきています。その生物学的な関連性はまだ分かっていませんが、ワクチンや抗ウイルス剤がすべての株に対して同じように効果があるかどうかを調べることが重要になります。

ワクチンを市場に出すための重要なステップとは?

まず、ワクチンの創成があります。多くの場合、ワクチンとその特定の病気に応じて、次に動物で評価されます。その後、規制当局(アメリカ食品医薬品局、その他の国では他の規制機関)、治験審査委員会(IRB)、データ安全性監視委員会(DSMB)の監督の下で、ワクチンは臨床試験の段階を経て、通常、最初は健康な若年成人の少人数を対象とし、次に、基礎疾患を持つ人を含む大規模なグループやより幅広い年齢層を対象とした試験が行われます。CDCでは、オンラインで、ワクチン試験の段階にについての簡単なガイドを提供しています。

ワクチンの安全性と有効性が確認された後、ワクチンを市場に流すには、製造と流通に投資する必要があり、複雑な作業となります。今後数ヶ月の間に、我々や世界中の他の人々は、適切な投資が行われていることを確認するために考え、行動する必要があります。 また誰にいつ、どのようなワクチンを接種すべきか、データの収集と見直しを続けていく必要があるでしょう。2009年のインフルエンザの大流行で、一度に全員分のワクチンを確保できなくなったので、リスクを考慮して優先的に接種したことがありましたね。もちろん、これは世界的な病気ですから、私たちはワクチンの供給を考えながら、世界的な公平性と正義の問題について考える必要があります。

今のような状況になった場合、迅速に進める早道はあるのでしょうか?

我々はワクチン開発を迅速に進めてきました。病原体の配列を得てから数週間でワクチン製品を臨床試験に提供するまでに至ったことは、本当に驚くべき成果です。しかし、試験には急ぐことができない局面もあります。ワクチンに対する免疫反応の発現には時間がかかりますし、安全性の評価にも時間がかかります。そうはいうものの、緊急時には、ワクチン検査のいくつかの段階を効率化することができます。ワクチン評価の段階をどれだけ速く進めるかは、問題の緊急性によって変わります。パンデミックですから、できるだけ安全に速く前進することになります。

COVIDワクチン開発について、一般の人が知っておくべき最重要なことは何か?

ワクチンはコロナウイルスの流行を食い止めるために重要ですが、一朝一夕にできるものではありません。また、ワクチンの疫学対策や技術への投資がなければ、現在進行中の斬新なプラットフォームを用いたワクチンの急速な開発はあり得なかったことを理解してもらうことも重要だと思います。

2015年、Stanley Plotkin氏、Adel Mahmoud氏及びJeremy Farrar氏は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に画期的な論文を発表し、その中で、迅速なワクチン開発を支援するためにCEPIのような組織を設立することを呼びかけました。COVID-19で現在開発中のワクチンの多くは、研究者が迅速なワクチン開発を可能にする技術のための開業資金を受けていたからこそ可能になったものです。COVID-19の存在が知られる前に、これらの資金はCEPIから提供されたのです。