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UW Covid Network Translation

Neural machine translation plus human refinements by Jungo Kasai, Koji Shiono, and Noriyuki Kojima.

本文は米ワシントン大学による「「一人だけ」訪ねる事が新型コロナウイルス感染拡大に与える影響」(原題:UW team illustrates the adverse impact of visiting ‘just one friend’ during COVID-19 lockdown)を、翻訳したものであり、著者の意見、主張を反映するものではないことをここに明記します。また、いくつかの情報は現状を反映していない可能性があります。最新の発表、及びお住まいの地方自治体のガイドラインもご参照ください。

「一人だけ」訪ねる事が新型コロナウイルス感染拡大に与える影響

COVID-19のパンデミック開始以来、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の維持は数週間に及ぶが(訳者注:アメリカは自宅待機要請が日本よりも早く始まっています)、あらゆる年齢層の人々が疑問に思っているのではないだろうか、「たった一人の友人を訪ねることに、何の問題があるのだろうか?」と。

残念ながら、「たった一人」訪ねるだけで、COVID-19の感染拡大防止のための社会的距離の努力が水泡に帰してしまう可能性がある。ワシントン大学の研究者が立ち上げたウェブサイトによると、社会的距離のルールを緩和して、各家庭が1人か2人の他の人と接触できるようにするだけで、コミュニティ内のほとんどの家庭が再接続され、COVID-19が拡散する経路が確立されてしまうという。

「一人だけで良いから、友達訪ねちゃだめですか?」と銘打った、4月3日に開設された同サイトは、ワシントン大学の人類学教授及び疫学の非常勤教授であるスティーブン・グッドロー氏と、同大学の社会学・統計学の名誉教授であるマルティナ・モリス氏が率いるチームによるものである。グッドロー教授とモリス教授はネットワーク疫学者であり、社会的なつながりが感染症の蔓延にどのように影響を与えるかを研究している。

COVID-19ウイルスは、キスやハグから、単に同じ部屋にいるだけというものまで、多くの種類の社会的交流を介して感染する可能性がある。そのため、保健当局は、家にいること、頻繁に手を洗うこと、マスクを着用すること、食料品店、薬局、診察のためのやむを得ない外出中は、他の人から2メートルの距離を保つことなど、厳格な社会的距離を保つ対策を推奨している。

社会的距離を利用して「感染拡大を平坦化する」 (原文: flatten the curve、英語メディアでは連日繰り返し使われている標語) ことについての議論や記事はたくさんあります。」とグッドロー氏は言う。「私たちは、これらの原則をコミュニティレベルで説明し、一見単純に見える交流であっても、それほど単純ではないことを視覚化できるようにしたかったのです。」

「一人だけで良いから、友達訪ねちゃだめですか?」は、200世帯のコミュニティをモデルに、社会的距離の維持の効果を可視化することから始まった。研究者は、社会的距離の効果を実証するために、このコミュニティの社会的交流の程度をいろいろと試行した。

図1が示すのが、社会的距離を何も取らないコミュニティの姿。緑の点が世帯を、世帯間を走る灰色の線が、それぞれのCOVID-19ウイルスを拡散させる可能性のある、人と人との接触などの社会的なつながりを表す。このコミュニティでは、各世帯が平均して15の他の世帯とのつながりを持っている。

社会的距離がない場合、すべての世帯がコミュニティ内の他のすべての世帯と直接または間接的につながり、1つの巨大なクラスターが形成される。

図2は、社会的距離を取った場合のコミュニティの姿で、この場合はほとんどの世帯が孤立している。しかし、青で示された全体の10%に相当する世帯には「生活に必要不可欠な業種」に従事する人が含まれてるため、COVID-19ウイルスを拡散させる可能性のある社会的なつながりがまだ生じている。とはいえ、これらのつながりによって形成された最大のクラスターは、わずか26%の世帯を網羅するに過ぎないため、大多数の世帯では、COVID-19ウイルスに感染する可能性のある社会的なつながりが存在しない。

ところが、一見無害な「一人だけ」の訪問が、このコミュニティを容易く再接続してしまう。図3に示すように、各世帯が他の世帯と1つだけ社会的つながりを確立した場合でも、71%もの世帯が1つの大きなクラスターで再接続されるようになった。この場合、これらの世帯の一つでものCOVID-19を発症すれば、このコミュニティのほぼ4分の3の世帯に広がりうるだけの、直接的または間接的な社会的つながりが存在することになる。

「基本的な考え方を人々に伝えるために、意図的に非常にシンプルにしています 。」とモリス氏は言う。「このモデルは、人と人とのつながりが、私たちが気付いている以上に、そして私たちの直感が示す以上に、広がっていく理由を表しています。」

チームのウェブサイトには、R言語を使って作成した追加のシナリオが掲載されている。あるシミュレーションでは、1世帯あたり平均2つの社会的つながりが、コミュニティ内の90%以上の世帯を繋ぐ事が示されている。

これらの繋がり一つ一つが、ウイルスが広がる経路となりうるのだ。

「COVID-19では、さまざまな形の社会的つながりがウイルスの感染経路となり得ます。」とモリス氏は述べている。「私たちが示しているのは、スーパースプレッダーがいなくとも、感染拡大のための経路は確立しうるという事です。」

「一人だけ、であってもその訪問を避けることで、人々は近くにいる人や町の向こう側にいる人を助けることができ、ひいてはそれがあなた自身を守ることにつながるのです。」とモリス教授は付け加えた。