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JHU Covid Vaccine Translation

Neural machine translation plus human refinements by Jungo Kasai, Koji Shiono, and Noriyuki Kojima.

本文は本文は米ジョンズ・ホプキンズ大学によるによる「ワクチン開発は始まっているが、ワクチンは一夜にしてならず。」(原題:A CORONAVIRUS VACCINE IS IN THE WORKS—BUT IT WON’T EMERGE OVERNIGHT )を、翻訳したものであり、著者の意見、主張を反映するものではないことをここに明記します。また、いくつかの情報は現状を反映していない可能性があります。最新の発表、及びお住まいの地方自治体のガイドラインもご参照ください。

ジョンズ・ホプキンズ・キャリー・ビジネススクールの上級講師であるスプリヤ・マンショー氏は、生命科学と医療機器産業における初期段階の技術の商業化の専門家として、COVID-19のワクチン開発プロセスのニュースに精通しています。

次の対談では、コロナウイルスワクチンの開発期間の見積もり、開発に関わるステップ、開発元として現在最も有望な企業、そしてMERSとSARSの発生から何年経ってもコロナウイルスワクチンがまだ製造されていない理由について、マンショー氏が考察します。

米国政府は、COVID-19ワクチンを1年から18ヶ月で完成させると話しています。一部の専門家は、安全なワクチンであれば、それは早すぎると言っています。あなたはどのくらいの期間が妥当だと思いますか?

1年から18ヶ月は非常に楽観的です。一般的に、安全で効果的なワクチンをゼロから開発する場合、開発には10年から15年かかると言われています。ここでの朗報は、コロナウイルスは目新しいものではなく、MERS-CoVやSARS-CoVの流行以来、すでにそのようなウイルスの研究を行っているグループがあるということです。ですから、ゼロからのスタートではありませんが、1年半というのはかなり楽観的です。状況の緊急性を考えると、メーカーとFDA(米国食品医薬品局)が協力して、ワクチンのリスクとメリットを天秤にかけていくと思われ、最初のワクチンが安全である限り、最も効果的ではないかもしれません。ワクチンは健康な人に投与されるため、安全性の要求はかなり高いと思われます。

COVID-19のワクチン開発にはどのようなステップがあるのでしょうか?課題とコストは何でしょう?

アメリカ疾病対策予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)のウェブサイトに記載されているように、ワクチンの開発は、ワクチンの接種者に免疫をもたらすことのできる適切な抗原やウイルス上の粒子を特定する探索段階から始まります。これは基礎研究の段階で、通常2年から4年かかります。

次の段階は前臨床試験で、同定された抗原に対する反応を動物や細胞、組織培養物で観察し、最長で2年を要します。

次に、臨床試験の段階に進みます。第一段階では、ワクチン候補の安全性を確認するために少人数(20~30人程度)で試験を行い、第二段階では、より大人数(通常は数百~数千人)で安全性、投与量、投与方法などの試験を行います。最後に第三段階では、製造業者が数千人の人を対象にワクチンを試験し、大規模なサンプルで病気の発生率を調べます。実験台となる対象を募集し、臨床試験の実施場所を見つけ、実験の手順を確立するのに時間がかかります。これらのプロセスが終わっても、ワクチンを接種した人々が偽薬を投与された人々に比べて病気の発生率が低いかどうかを確認するためには1年から5年ほどかかる事があります。

状況の緊急性を考慮して、ワクチンの有効性を免疫反応の種類と長さで測定するような代替策を取ることもできます。しかし、その場合でも、臨床試験だけで1年から2年はかかることになります。また、各段階での失敗率が高いことを覚えておかなければなりませんが、探索段階で抗原を見つけたからといって、それがワクチンになるとは限りません。

もう一つの重要な点は、規模の拡大と製造です。規制当局の承認を得たからといって、十分なワクチンを迅速に製造して全人口にいきわたるようにできるわけではありません。事前にワクチンの流通を計画していたとしても、インフルエンザワクチンが不足していることがよくあります。

コロナウイルスのワクチンが開発されていないという見方は正しいのでしょうか?もしそうなら、過去20年のMERSとSARSの発生後、なぜワクチンが開発されなかったのでしょうか?

どのコロナウイルスに対しても有効なワクチンはありません。しかし、前回ののMERSとSARSの流行期に行われた研究により、COVID-19のワクチンの探索段階や前臨床段階が短縮された可能性があります。MERS-CoVワクチンはまだ開発中ですが、この病気は主にアラブ半島で発生しています。そして、SARS-CoVは自然消滅したため、ワクチンは不要になりました。

公的機関と民間機関が連携してワクチン開発プロセスをスピードアップする方法はあるのでしょうか?

疫病対策イノベーション連合(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)は、世界中のワクチン発見の取り組みの大部分を調整しています。このプロセスを加速させるために、政府、製薬会社、研究機関の間で資金提供、連携、共同研究などが進められています。例えば、臨床試験の第一段階のワクチン候補を開発したバイオテクノロジー企業であるモデナ社は、国立アレルギー・感染症研究所の協力を得て、更なる臨床試験を実施しました。

今、最も有望なワクチン候補は何ですか?

複数の企業がワクチン候補に取り組んでいます。Moderna、Inovio、CanSino Biologics、Shenzhen Genoimmune Medical Instituteからの候補が臨床試験の第一段階をリードしています。他の候補は前臨床試験または探索段階にあります。興味深いことに、オーストラリアでは、通常結核予防に用いられるカルメットゲリン菌(BCG)ワクチンのCOVID-19に対する有効性を検証する試験が開始されようとしています。このワクチンはすでに安全であることがわかっています。効果があるかどうかは興味深いところです。

コロナウイルスの予防接種は、インフルエンザの予防接種と同じように毎年接種するものになるのでしょうか?

ウイルスの持続期間や突然変異の早さにもよります。SARS-CoVはワクチンが開発される前に消滅しました。なぜこのようなことが起こったのか、いくつかの仮説がありますが、正確な理由は誰にもわかりません。流行の間に行われた社会的距離の取り方や隔離が、感染拡大を抑制する上で重要な役割を果たしたと考えられます。

インフルエンザは持続期間が長く突然変異率が非常に高く、いくつかの株が同時に流行していることが多いです。そのため、毎年、その年に流行する株を予測してワクチンが作られています。それでも、すべての突然変異を予測することは難しいので、インフルエンザワクチンで100%の備えができるわけではありません。