Home

UW Covid Contact App Translation

Neural machine translation plus human refinements by Jungo Kasai, Koji Shiono, and Noriyuki Kojima. 本文は米ワシントン大学による「プライバシーを侵害しない接触追跡アプリ」(原題:A contact-tracing app that helps public health agencies and doesn’t compromise your privacy )を、翻訳したものであり、著者の意見、主張を反映するものではないことをここに明記します。また、いくつかの情報は現状を反映していない可能性があります。最新の発表、及びお住まいの地方自治体のガイドラインもご参照ください。

プライバシーを侵害しない接触追跡アプリ

自宅待機命令と社会的距離により、いくつかの地域では「感染拡大の平坦化」 (原文: flatten the curve、英語メディアでは連日繰り返し使われている標語) に成功している。世界が徐々に再開放されるにあたり、コミュニティはウイルスを追跡し、その広がりを封じ込める信頼できる方法を必要としている。

接触追跡アプリは、より大きな戦略の一環として、一つの選択肢を提供してくれるかもしれない。これらのアプリは、誰と誰が接触したかを監視し、必要に応じて、近くにいる人がウイルスに感染していると診断された場合には、ネットワーク上の人々に警告を発することができる。ただし、現在の多くの連絡先追跡アプリにはプライバシーの危険性がある。たとえば、ユーザーの位置情報の漏えいや、個人情報に対するユーザーの制御権の奪取などだ。

米ワシントン大学と同大学医学部の研究者は、マイクロソフトの有志と共に、新しいツール「CovidSafe」を開発した。公衆衛生当局と接触追跡チームからの意見をもとに開発されたこの接触追跡アプリは、誰のプライバシーをも損なうことなく、COVID-19への潜在的な接触について人々に警告を発する。このアプリを使うことで、陽性と判定された個人が公衆衛生当局との接触追跡面接の準備をすることが可能だ。

CovidSafeは、アプリストアからのダウンロードはまだ準備ができていないものの、チームのウェブサイトからAndroidのデモ版にアクセスすることができる。まだ完全な機能が備わっていないデモ版を試したユーザーは、チームにフィードバックを提出することができる。このアプリは、チームが今月初めにプレプリントサイトarXiv(訳者注:arXivは公式発表前の論文が投稿される、研究者の間で広く使われているサイトです)に投稿した白書で概説した、一連のプライバシーとセキュリティのガイドラインに基づいている。

「接触者の追跡は、公衆衛生当局がパンデミックを阻止し、将来の発生を防ぐために最も効果的なツールの1つです。」と、ポールG.アレン・コンピュータサイエンス&エンジニアリングスクール(以下「アレン・スクール」)のUW博士課程の学生で、著者のジャスティン・チャンは語る。 「私たちの接触追跡アプリは、プライバシー、セキュリティ、再識別の問題を隠蔽するのではなく、根本的な問題に対処します。CovidSafeでは、陽性反応が出たことを共有することを選択しない限り、すべての情報が携帯電話でローカルに保存されます。その後、データは安全なサーバーに送信され、アプリは近くにいた人に警告を発します。これらの通知が送信された後、すべての情報は削除されます。」

公式動画 (YouTube)

CovidSafeは、ユーザーのプライバシーを維持するためにいくつかのステップを踏む。このアプリは、各ユーザーに秘密のコード名を割り当てることから始まり、次に15分ごとに変化するコード名のバリエーションを生成し、Bluetoothを使用して近くの他のユーザーに配信する。CovidSafeはまた、これらの人々のスマートフォンの信号のリストも保存する。CovidSafeのフルバージョンでは、陽性反応を示したユーザーが、その情報をアプリで共有することを選択した場合、感染者の匿名性を保ったまま、COVID-19の潜伏期間である過去14日以内に接触した人に警告を発する。

「従来の接触者追跡では、接触した人のプライバシーだけでなく、個人のプライバシーもある程度放棄する必要があります 。」と、共同研究者であるアレン・スクールのステファノ・テッサーロ准教授は述べている。「しかし、我々のシステムでは、強力なプライバシーを保証しつつ、接触追跡のプロセスをスピードアップすることができます。」

誰もが接触追跡アプリを使いたがるわけではないので、このアプリは公衆衛生当局が、陽性と判定された患者がどこにいて誰に会ったかについて面接する従来の接触追跡を、代替するのではなく強化することを目的としている。CovidSafeはユーザーの場所の記録を時間の経過とともに作成し、最近行った場所の詳細をユーザーに提供することで、このような面接をサポートする事ができる。

「このアプリは、何よりもまず接触追跡チームと公衆衛生担当者を念頭に置いて構築されています。」と、同大学医学部の麻酔学および疼痛医学の助教授である共同研究者のジェイコブ・サンシャイン博士は話す。 「彼らはエキスパートであり、機能の多くは、この必要かつ困難な作業を行うチームからの直接的なフィードバックに基づいて開発されました。このシステムは、考え抜かれたプライバシー保護設計と組み合わされて、プライバシーを重視する一般の人々のニーズを満たし、公衆衛生システムや接触追跡チームがよりスマートかつ迅速に機能するのに役立つ有用な情報を効率的に提供するように構築されています。」

CovidSafeには他にも、陽性反応が出て隔離されているユーザーが症状を追跡できるようにする症状トラッカーや、ゆくゆくは地元の公衆衛生機関からの個別の健康通知をユーザーが受信できるようにするメッセージングシステムなどの機能を備える。研究者たちは、組織が各々のニーズに合わせてカスタマイズできるように、このアプリのソースコードを公開した。

「10 年後には、振り返って『私は生涯で最大の危機に何かをした』と心から言えるようになりたいと思っています。」と、プロジェクトのボランティアの一人であり、マイクロソフトリサーチのコンピュータサイエンティストでもあるジョン・ラングフォード氏は話す。「この時点で、何十人もの人々がこのプロジェクトの実現に向けて何百時間もの時間を費やしてきました。私たちは、本当に役に立つものを作るために必要な専門知識をすべて備えています。」

白書の他の共著者は、アレン・スクールのシャム・カケイド氏シャム・ゴラコタ氏ジョセフ・イェーガー氏河野忠義氏スディーシュ・シンガナマラ氏、マイクロソフトのエリック・ホーヴィッツ氏ジョナサン・ラーソン氏だ。